大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)1149 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を広島高等裁判所松江支部に差し戻す。

理 由

原判決の判示するところによれば、本件土地については、鳥取地方法務局赤碕出

張所昭和二八年二月二四日受附第九九号、債権者を被上告人、主債務者を上告人と

する同年一月一日附借用証書による債権担保のための抵当権設定登記があること、

上告人の右債務は訴外Dが被上告人に対して負担していた債務を債務者の交替に因

り債務者を上告人に更改したものであるが、右更改契約は右Dが上告人の法定代理

人親権者としてした利益相反行為として法律上無効であるというのである。�

とすれば、上告人は右更改に因つて右債権の債務者となることなく、右登記に被

担保債務として表示された上告人の債務は存在せざるに帰し、右抵当権は不存在の

債務について設定せられた無効のものといわざるを得ない。�

原判決は諸般の事情関係を判定して、右登記の無効でない所以を説示するけれど

も、上告人が右更改無効の場合について、尚且本件抵当権の設定を受諾したとみる

べき事実については、原判決の説示は未だもつて首肯すべき十分の理由を具えたも

のとすることはできない。�

結局、この点につき原判決には理由不備の違法あるものというの外なく、よつて、

民訴四〇七条に従い裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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裁判官 山 田 作 之 助

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